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「ヴァロットンー黒と白」展

三菱一号館美術館で、「ヴァロットンー黒と白」展を見ました。

「ヴァロットンー黒と白」展のポスター

展示の大半が、ヴァロットンの版画です。

題名が示す通り、ヴァロットンの版画は白黒です。今回、多くの版画を見、解説を読んで、その白と黒の使われ方が非常に面白いことを学びました。

展示の一部は撮影が可能でした。その中の2点です。

黒と白は、現実世界をモノクロにしたのではなく、例えば「学生たちのデモ行進」では、デモをする学生たちを黒く描いています。

また、子どもたちも描かれます。とてもかわいらしいのですが、現実の中の子どもだったりします。

今回の展示では、作家や音楽家、画家の肖像画もあります。その描かれる人によって、背景が黒だったり白だったりするのも、その人に対するヴァロットンの印象を表しているのでしょうか。黒い背景と衣服や髪の毛がつながっていたりもしますが、描かれている人自身が生み出した作品をヴァロットンは思い浮かべながら描いたのだろうか、と想像して見ていました。

ヴァロットンを私が初めて知ったのは、今回と同じ三菱一号館美術館で2014年に開催された、「ヴァロットンー冷たい炎の画家」展でした。

ヴァロットン —冷たい炎の画家展(2014年) 概要(三菱一号館美術館サイト)

この時は、ヴァロットンが抱える家族の問題を投影した、題名のような冷たい空気を感じる油絵が中心の展示でした。版画も展示されていましたが、メインは油絵のように感じていました。

しかし、今回、版画をまとめて見たことで、版画で表現されていることの豊かさやヴァロットンのこだわりを感じ、版画は決して脇役ではない、と、思いました。

「アンティミテ」は、たぶん8年ぶりに見ましたが、思わせぶりな絵と題名がとても魅力的です。

8年ぶりにしてまた違う魅力を見せてくれる、ヴァロットン展です。

三菱一号館美術館のレンガの壁と、「ヴァロットン 黒と白」展の幕の写真

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