東京都美術館にて。2020年1月26日鑑賞。
東京都美術館の「ハマスホイとデンマーク絵画」展は、ハマスホイ(ハンマースホイ)と、ハマスホイに至るデンマーク絵画を見せてくれる展覧会です。ハマスホイの作品は30点ほどあります。
国立西洋美術館の常設展でいつも気になる存在だった、ハンマースホイの「ピアノを弾く妻イーダのいる室内」。その、ハンマースホイの展覧会を随分前から楽しみにしていました。
展覧会では、まず、ハマスホイに至るデンマークの画家たちの作品を見せてくれます。
「デンマーク絵画の黄金期」では、クプゲ「フレズレクスボー城の棟ー湖と町、森を望む風景」の、広い広い空が印象的です。
次の「スケーイン派」は、圧巻でした。デンマークの北の果てのスケーインの厳しい生活に魅入られたデンマークの画家たちの作品。中で、女性の普通の生活を描いたアナ・アンガの作品が一点ありました。アナはスケーインに一軒だけある宿屋の娘です。画家のミケール・アンガと結婚したそうです。ミケールは風景を描いています。画家の多くはよそからスケーインに来たようですが、そこで生まれ育ったアナは何を感じたのだろう。何かしらドラマがあるかもしれないと感じます。
次の「19世紀末のデンマーク絵画─国際化と室内画の隆盛」で描かれた室内を見た後、最後にたっぷりハマスホイを見ます。
ハマスホイの絵では、「ライラの風景」の青空の明るさには随分ホッとしました。室内でのイーダの後ろ姿ばかり見ていたせいかもしれません。
ハマスホイの室内と妻イーダ。イーダはいたりいなかったりします。無人でどの部屋もドアを開けていたり、陽光がさしていたり。後ろ姿のイーダがトレイを持っていたりピアノを弾いていたり。
今回はイーダの肖像画もあり、初めてイーダの顔も見られました。
デンマークの空気を想像しました。

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