東京国立博物館平成館で、「特別展 東福寺」を見ました。
人物を感じさせる肖像
鎌倉時代の開山 円爾(えんに)の肖像画から、展示は始まります。円爾、蔵山順空など、歴代の東福寺の住持の肖像画や像がいくつか展示されていますが、同じ人を描いていることが強く伝わってきて、確かに、存在したことを感じさせられました。
蔵山順空像は公式Twitterで紹介されています。
椅子に座った形もユニークです。
木像も写実的ですが、肖像画も、鎌倉時代のものも生き生きとしていました。
吉山明兆
圧巻は吉山明兆の絵画です。大きな白衣観音図の美しさに魅入られた後の展示室で五百羅漢図がずらりと並び、とても見ごたえがありました。行った日が終了間際で、31号から後を見ることができました。(全部見るには3回行く必要がありました。)解説がユーモラスで楽しかったです。
東福寺には今は存在しない47号は、下絵と、それをもとに江戸時代に狩野孝信が描いたものの両方が展示されていて、明兆の下絵と狩野孝信の絵の表情の違いも楽しみました。
釈迦三尊図
東福寺所有の、中国・元時代の釈迦三尊図と、それを参考にしたという、明兆より少し前に活躍したという良全の釈迦三尊図の、二つの釈迦三尊図の対比がおもしろかったです。特に、向かって左側(お釈迦様から見て右側)の、普賢菩薩と、その下の象が、参考にしていても、象の表情、巻物を読んでいる普賢菩薩の表情、それぞれ特徴があります。
これらの画像は、Twitterにありました。以下に貼り付けた「紡ぐ Japan Art & Culture」のツイートの説明文には良全のことが書いてありますが、画像は東福寺所有の「釈迦三尊図 伝呉道子筆」です。
巨大伽藍
最後の「巨大伽藍と仏教彫刻」のコーナーの、巨大な二天王立像や、それぞれの個性が楽しい迦葉・阿難立像や四天王立像など、迫力のある仏像を堪能しました。
展示風景画、東博のブログで紹介されています。
実物の迫力は写真で見るよりもっとすごかったです。

とても見ごたえのある、人間を感じられる展示でした。
東京展は今日終わりましたが、秋に京都展があるそうです。

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