根津美術館の「鈴木其一・夏秋渓流図屏風」展を見ました。
こちらも、「奇想の系譜」展で見た夏秋渓流図屏風との再会です。
今回は、其一の師、酒井抱一や、影響を与えたと考えられる円山応挙など、ゆかりの人の作品と合わせての展示で、「奇想の系譜」展とは違う視点で夏秋渓流図屏風を楽しむことができました。
酒井抱一の青楓朱楓図屏風での、鮮やかな色合いと、円山応挙の保津川図屏風との対比を、とても面白く見ました。
保津川図屏風は、色数は少なく、水流のダイナミックさが際立ちます。それに比べ、夏秋渓流図屏風の鮮やかな青い渓流は、解説にもありましたが、ねっとり感があって、応挙の影響は受けてながらも違う描き方です。
広い展示室に、この3つの大きな屏風が展示され、特に保津川図屏風と夏秋渓流図屏風は隣り合わせで展示されているので、対比させながら見ることができて、とても贅沢な気持ちになりました。屏風は、平たい状態での写真ではなく、折れ目の立体感と共に楽しめる展示が、楽しいです。
この展覧会で初めて見る絵も多く(保津川図屏風もそうでした)、其一とその周辺をじっくり楽しむことができました。
下記の記事でも、紹介されています。
特別展「鈴木其一・夏秋渓流図屏風」根津美術館で、異色の代表作《夏秋渓流図屏風》誕生の秘密をひもとく
展覧会の最後を飾る「群鶴図屏風」も印象的です。濃い紺と金が美しいです。チラシによれば、この屏風を含め、展覧会初公開の作品が多いのも魅力です。
12月7日からは、酒井抱一の夏秋草図屏風(東京国立博物館)が展示されるそうです。そのころは庭の紅葉も見ごろだと思いますので、再訪も考えたいと思います。


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