「灰色の小さな脳細胞」

4月3日のNHK「実践ビジネス英語」に gray matter が出てきます。これは「頭脳」だそうです。

それで思い出したのが、アガサクリスティのエルキュール・ポアロの名セリフ「灰色の脳細胞」です。ポアロのイメージが渋い灰色にぴったりな気がして、それで「灰色の脳細胞」なんだろうと勝手に思っていましたが、そうではないと気づきました。gray matter は脳の灰白質を指しています。

ポアロのセリフは「little grey cells」で、grey(gray) matter をもじったもののようです。それを翻訳した時に、「灰色の小さな脳細胞」としたのでしょう。これは面白い翻訳だと思います。文字通りだと「灰色の小さな細胞」になるところに、細胞の前に「脳」を入れることで、説明を加えながらもじりであることも伝えていると思います。私は今の今までもじりであることには気づきませんでしたが、ずっとこの言葉がポアロの作る世界の中心として記憶していました。この翻訳に最初に出会ったのがいつだったか、ン十年前で覚えていないですが、また新たな出会いをした気分です。

ちなみに、実践ビジネス英語 4月号のテキストでは、 old gray matter で「頭脳、脳」とありますが、oldは「脳」の意味には含まれないようです。ロングマンの例文によれば、old はgrey matterを修飾しているだけのようです。


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