映画「リンドグレーン」の看板

映画「リンドグレーン」

エンドロールが出始めてびっくりしました。2時間があっという間で、ずっとアストリッドの人生を見せてもらえる錯覚に陥っていました。

この映画の主人公は、有名な児童文学作家のアストリッド・リンドグレーンです。わたしもリンドグレーンの作品を子どもの頃に読み、特に「名探偵カッレくん」が大好きで、40年以上前の岩波少年文庫(箱入り!)を、持っています。作品から、また映画のチラシに出てくる変なダンスの写真から、アストリッドを、作品のような自由な女性であろうと想像していました。わたしは予告映像は見ないで、映画館に行きました。

映画の最初の方の、キリスト教の信仰の深い両親、特に厳しい母親に育てられていること、きょうだいが多い大家族の中で、アストリッドがふざけて叱られたり、ダンスの後に叫んだりするところは予想通りの印象でした。厳格でも愛情あふれる家族の様子にホッとしたりもしました。しかしー

しかしその矢先、アストリッドの人生は、予期せぬ方向へと進んでいく――。

映画の公式サイト Introduction より

公式サイトのIntroductionの文章ではこれしか載っていません。先の見えない苦しさを感じながら、見入りました。(ちなみに予告映像には「方向」が少し出てきます。)

この映画の原題の英訳は ”Becoming Astrid” 「アストリッドになる」です。「リンドグレーン」という邦題は、映画の内容からすると少し合わないようにも感じます。が、日本でよく知られている「リンドグレーン」の方が、伝わりやすい、ということかもしれません。

映画では、年老いたアストリッドが、沢山の子どもたちから来た手紙を読んだりメッセージの入ったカセットテープを再生したりする様子が時々挟まれます。子どもたちの絵に愛おしそうに手を乗せ、メッセージに耳を傾ける姿に、子どもの録音されたメッセージがオーバーラップします。

若いアストリッドは、輝き、悩み、決断し、また苦しむ。主演のアルバ・アウグストはものすごく魅力的です。

映画ではアストリッドの人生のある区切りまで描かれていますが、その後も単に平穏な人生ではなかったであろうことを感じます。

世界中の子どもを夢中にさせたアストリッドの作品を、また、読んでみたくなりました。


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