奈良国立博物館で特別展「 空海」展を見ました。
今回は音声ガイドを借りましたがこれは正解でした。密教に関する解説がとても分かりやすく、気持ちよく鑑賞できました。第1室が広々とした展示で、ここで音声ガイドが第1室の世界観を解説してくれ、わかりやすく入ることができます。
十二天像
前期は十二天がそろった西大寺の十二天像の展示です。平安時代のもので十二天の顔が不鮮明のものも多いですが、それぞれ、下にいる動物たちがユニークです。いろいろな動物たちがいました。
五智如来坐像
音声ガイドで解説を聞きながら、ぐるりと五体の如来を見ました。ここで五智如来の概要を学び、以降の展示も見やすくなりました。
真言八祖像
音声ガイドで、黒い縁がついている袈裟を着ているのはインドの僧、と学びます。八祖の8人目は空海ですが、空海に至るまでの教えの系譜を聞き、師と弟子のつながりを感じました。
両界曼荼羅(血曼荼羅)
空海は、「文章に表すことが難しい密教を絵や図を使って開き示す」と言っていたそうで、曼荼羅もそのための絵とのことです。胎蔵界と金剛界の二つから成る両界曼荼羅はいくつか展示されています。今回初めて持参した単眼鏡で、部分をいくつか見て表情を確認しました。
陸と海のシルクロード
密教がインドから中国に渡るのに、二つの経路があったという解説も興味深いです。海の経路ではインドネシアを通ります。今回の展示でインドネシアから出土した小さい仏像が多く展示されており、エキゾチックながら、第1室で見た五智如来像との類似も面白いものでした。
両界曼荼羅(高雄曼荼羅)
展示室でパッと見たときは、大きな真っ黒な曼荼羅に見えたのですが、紫の綾地に金で描かれた曼荼羅との解説です。単眼鏡で仏様の顔を見ることができました。前期で胎蔵界の展示でした。金剛界も見てみたいです。
人間・空海
空海と言う人物を表す展示も多いです。
空海の自筆の展示がいくつかあり、20代の空海の文字は勢いがあり、若さを感じさせます。
師の恵果と空海のつながりはドラマチックです。教えてもらったのはわずか3か月!師は亡くなってしまいます。師の言葉を受けて予定より早く2年で留学を切り上げたそうですが、では予定は?と言うと、20年だったそう。そちらの長さも驚きです。
空海が、亡くなった弟子の死を悼む言葉も紹介されています。人間・空海に思いを馳せられる展示でした。